管理会計とは?数字を経営にいかすための会計だ!の記事で、
「管理会計は、経営者をはじめとする社内の人間が、経営管理を目的に利用する会計です。」
と説明しました。
では、経営管理を行ううえで必要な管理会計の主な役割は何でしょうか?
それは、「意思決定」と「業績管理」です。
「意思決定」とは、複数の選択肢のなかから最適なものを選ぶことです。
「業績管理」とは、企業の実績値が計画や目標と乖離していないか管理することです。
今回は、管理会計の「意思決定」にスポットをあてて説明します。
企業経営を行っていると、その重要性は様々ですが、日々大量の意思決定に迫られます。
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挙げればきりがありません。
こういった意思決定の中で、企業の業績や資金繰りに大きな影響を与える意思決定をどのように行っていますか?
「きっちり仮説をたて、実行している。」
「あらかじめ判断基準を設けて、そのルールに従っている。」
そういった経営者の方は、意識はなくとも、おそらく管理会計をすでに導入・運用されているのではないでしょうか。
管理会計には、このような意思決定に役立つデータを経営者に提供する役割があります。
この意思決定を大まかに分類すると、業務的意思決定と戦略的意思決定の2つに分類できます。
業務的意思決定は、日々の業務の中で頻繁に直面する比較的重要性の低い意思決定を指します。
それに対し、戦略的意思決定は、経営方針そのものに大きな影響を与える意思決定を指します。
管理会計で扱う業務的意思決定の事例としては、以下のような意思決定が考えられます。
どれも、経営の現場ではよく直面する意思決定だと思います。
これらの意思決定は、いったん決定したあとも問題が生じれば比較的容易に変更が可能です。
少しずつ製品の割合を変えて、そのデータを蓄積し、最適な製造割合を探っていくというように、実行しながら改善していくことが可能です。
一方、戦略的意思決定の事例としては、以下のような意思決定が考えられます。
このような意思決定の場合、一度プロジェクトが進行し設備投資してしまうと、なかなか容易に引き返すことはできません。
また、大きな金額が一度に動き資金繰りに与える影響はとても大きいので、借入金の返済計画など、数年先の資金繰りも考慮して意思決定する必要が出てきます。
金額の大きな設備投資意思決定の場合、借入金の支払利息などの資金調達に伴うコストもばかになりません。
このような長期的かつ金額の大きな意思決定の場合、資金調達コストを考慮した意思決定が必要になります。
企業を順調に成長させていくには、どれだけ良い意思決定を積み重ねるかによります。
よく「リーダーシップ」や「判断力・決断力」という言葉で経営者が評価されるのも、経営に関する意思決定の重要性をあらわしているからではないでしょうか?
経営者が、その時の気分や主観的なものさしだけで経営意思決定を行うのではなく、会社の会計データという資源を活用して意思決定を行えるようにするのが管理会計の役割なのです。
中小企業では、会計データを単に決算や税務申告のためだけに利用し、意思決定にうまくいかしていないケースが多々あります。
それって、とってももったいないと思いませんか?
めんどくさいと思いながらも苦労して入力する会計データ。。。
自社の経営活動が金額というわかりやすいものさしで記録されている会計データ。。。
せっかくなので、これをもっと活用していきましょう!
脱どん!では、中小企業にも管理会計を導入してほしい!と願っております。これから少しずつ管理会計に関する記事も増やしていこうと思っています。
管理会計の主な役割は、経営者の意思決定に役立つ情報を提供すること、企業の実績値が計画や目標と乖離していないか業績を管理することです。
そして、意思決定には、比較的影響力が小さく修正が可能な日々行われる業務的意思決定と、設備投資に関する意思決定など経営方針そのものに大きな影響を与える戦略的意思決定があります。
経営は意思決定の連続であり、良い意思決定の積み重ねが企業の成長につながっていきます。日々の記帳で入手できる会計データ・財務数値を管理会計として最大限に活用し、最善の意思決定を行っていきましょう!
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