こんにちは。名古屋の公認会計士・税理士の池田龍矢です。
年賀状の準備があわただしくなってきました。毎年来年こそはもっと事前に準備すると心に誓うのですが・・・・難しいところです。
さて、12月21日付の日本経済新聞の記事に野村不動産ホールディングスが人口知能(以下、AI)を使った対話型サービスを始めるとありました。不動産購入者等の疑問にインターネット経由でAIが回答するものです。
インターネットだと顔が見えないので、本当に人間が回答しているのか、AIが回答しているのか分からなくなってしまいそうですね。
今日はAIと税理士の役割について日ごろ私が考えている想いを書いてみたいなと思います。
●AIは既に会計業界でも活用されている!?
実はAIってまだまだ先の話でもなく、すでに会計業界でも活用されているのをご存じですか??
当事務所で推奨している会計ソフトfreeeは仕訳記帳を自動化するという新たな概念をもたらしました。この会計ソフトfreeeにもAIが大活躍しています。
例えば、Amazonで書籍を購入したとします。当事務所では知識を常に吸収するため、書籍の購入は欠かせません。そこでよく利用しているのがAmazonです。当事務所では必然的に新聞図書費として処理するのですが、freeeでははじめ事務用品費、消耗品費で推測されてきました。これを新聞図書費として手で修正することで、AIが学習していきます。そのうちに新聞図書費として推測してくれるようになります。
このようにAIはデータを蓄積し、学習していくことで、人間の能力を超えたスピードで正確に処理を進めていくことができるのです。
●これからの税理士の役割について考える
私はAIの台頭によって税理士の役割が大きく変化していくものと思っています。AIはデータを蓄積することと正確でスピードのあるアウトプットで有利であるため、過去の問題になった税務の判例なども蓄積して学習していきます。
そうした中でこれからの税理士はどんな役割が果たせるでしょうか?
私はあくまでもビジネスは人と人との関わりあいが根本にあると考えています。その中でAIを活用して問題点、改善点を見える化し、コミュニケーションを図りながら経営者の皆さまと一緒に進んでいくことが税理士の役割だと思います。
何を伝えるのかという部分ではAIは大きな力になります。税理士はそれを経営者の方へどのように伝えるのかを考えることが重要だと思います。
当事務所ではAIや様々なツールを組み合わせて業務フローの効率化を提案していきます。そしてそのうえで、経営者の方にとって課題を見える化し、ともに考え進んでいくことを大切にしています。
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こんにちは。 名古屋の公認会計士・税理士の池田龍矢です。
今年も残りあとわずかとなりました。やり残しのないように今年できることは今年中にやっておきたいですね!!
今回は在庫削減と資金繰りについて書きたいと思います。
●在庫300億円削減!?
12月20日付の日本経済新聞朝刊に日立建機株式会社が在庫を300億円削減するという記事が出ました。
すごい金額ですよね!ただ、私が着目してほしいのはこの削減金額ではありません。在庫を削減することによる効果を見てほしいと思います。
●在庫の損益、資金繰りへの影響
在庫は会計上資産計上され、損益計算書上は費用にならないため、資金の影響が見えづらいところです。この在庫には様々な投入したお金が含まれています。
在庫には仕入をした原材料のほかに、製造業であれば製造に携わった人件費、外注費用、倉庫保管費用などさまざまな費用が含まれています。会計上はあくまで売上に対応する費用のみの計上となるため、極端な話でいうと、1,000個の製品のうち、500個売れて500個在庫として残っていれば1,000個にかかった製造費用の半分が費用計上され、残り半分は在庫として資産計上されるという理屈です。
会計上の処理によるものが要因で、損益は黒字でもお金がないという状況が起きてしまうというわけです。
そこで資金繰りを改善する対策として、現在保有している在庫を減らすことの検討が行われています。
●在庫を減らすには?
在庫を減らす方法は大きく分けて二種類に分けられます。
①在庫として保有する量そのものを減らす
②製造工程を見直し、改善することで製造、保管する期間を短縮する
①を実行するには販売計画、仕入計画、生産計画と様々な部署と連携して検討していく必要があります。したがって、どのくらいの量にしておけば欠品がなく販売できるのかという観点と、欠品を恐れて多くの在庫を保有してしまう(資金の先行投入)観点とのバランスが求められます。
非常に難しい判断となりますので、このような判断をする際に管理会計を活用していきます。
②の見直しについては、普段関わっていない部署や経営者も一緒になっていろいろな角度から意見を出しあったりすることが必要になると思います。
●まとめ
今回は在庫削減と資金繰りとの関係についてご紹介しました。
改めて、日本経済新聞に掲載されるような大企業でも在庫削減がテーマになるということで、中小企業であっても在庫削減の余地があるということを認識しました。
今回お伝えしたかったところを箇条書きにまとめました。
☑在庫は資産であるとともにお金を先行して使っているものであるということ
☑在庫を必要以上に保有することは資金繰り悪化の要因になること
☑在庫管理を改善していくには管理会計を活用した分析と実際の現場での実務そのものの改善が必要になること
当事務所では資金繰りを改善するための管理会計の活用を提案しています!!
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お金の流れ、マネジメントできていますか?
Flow & Focus Consultingは、あなたのビジネスの成長・発展を会計参謀として支えます。
こんにちは。公認会計士・税理士の池田龍矢です。
今回も来年度の税制改正内容についてのご紹介です。前回は個人編でしたが、
今回は法人編です。
中小企業の経営者の方にとって特に影響が大きな箇所である所得拡大税制の
見直しについてご紹介します。
●所得拡大税制とは??
簡単に表現すると、従業員の給与を増加させれば一定額を税額から控除すると
いう制度です。法人税は利益に対して一定の割合で税額を計算します。この計算
した税額そのものから控除するので、この制度を利用すれば節税になります。
趣旨は、従業員の給与水準を社会全体で引き上げることで消費の増加⇒経済の
活性化へとつなげるためと考えられます。
●改正内容は??
今回の改正によって適用要件の厳格化と税額控除の上乗せが行われる見込みです。
適用時期は実際に改正法案が可決施行されてからとなりますので、
平成29年4月1日以後に開始する事業年度からと予想されます。
具体的な変更部分については下表にまとめました。前提として中小企業に限定
しています。
上記を見ていただいてもわかる通り、この制度の適用には様々な要件があります。
少し細かいお話になりますが、個別に注意点をまとめてみました。
要件①、②の「給与等支給額」ですが、役員報酬やその親族の給与は含まれません。
給与等ですが、給与計算時に給与所得として取り扱う部分と同義といえます。
したがって、賞与ももちろん範囲に含まれることになります。
要件③の「平均給与等支給額」ですが、雇用保険一般被保険者で65歳未満の方の
うち、その年と前年と両方の年度において在籍している方の給与と賞与を合計し、
その合計額を延べ人数で除した数値となります。この延べ人数ですが、同月に同じ
人へ給与と賞与を支払った場合(例として、12月に給与と賞与をそれぞれ支払った)
には、1人としてカウントします。給与1人、賞与1人の2人とはカウントしませんので、
ご注意ください。
最も効率的な手順は、下記の通りです。
☑その年の給与等支給額を集計する
↓
☑雇用保険一般被保険者の方を抽出する(65歳未満)
↓
☑抽出された方のうち、その年に入社した方や前年以前に入社していたが、その年
より雇用保険一般被保険者となった方を除く
↓
☑絞られた対象者の前年の給与等支給額を集計する
この制度の適用は自己申告ですので、法人税の申告期限後に気づいても後から
適用はできません。
また、税務署からは適用できますよと教えてもらえません。
したがいまして、期末前に適用要件の判定をしておき、期末賞与を出すか否かの
判断の一つとして活用することが重要です。
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お金の流れ、マネジメントできていますか?
Flow & Focus Consultingは、あなたのビジネスの成長・発展を会計参謀として支えます。
ダイアモンドオンラインでfreee代表の佐々木大輔さんのインタビュー記事が掲載されていました。
スモールビジネスを最先端でかっこいい存在にすれば日本は変わる
佐々木大輔・freee代表インタビュー (ダイアモンドオンライン)
その中で、
「5年後は、大抵のビジネスであれば、難しいことを考えなくても、本業だけやっていればビジネスがまわっていく社会になっていると思います。」
とおっしゃっています。
私もそう思います。
そうなってほしいと思います。
そういう社会の実現に少しでも貢献したいと思ってます。
まさに、「バックオフィスのFlow を整えて、本業にFocusしていただきたい!」
という当事務所の理念と一緒!
(Flow & Focus Consultingという事務所名はここからきてます。。。)
そして、本業にFocusする際に会計・財務データを経営に活かしてもらえるように、スモールビジネス・中小企業にマネジメント会計(管理会計)を広めていきたいです。
一歩ずつがんばります!
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こんにちは。公認会計士・税理士の池田龍矢です。
だいぶ朝晩冷え込んできました。私は仕事柄眼精疲労が蓄積されてるので、寝るときに使い捨てのホットアイマスクを使っています。ラベンダーの香りもして熟睡できるのでお勧めです!ちなみにラベンダーの香りは自律神経を整えてくれるので、睡眠に入りやすくなる効果がありますよ。
本題に入りますが、与党による来年度の税制改正内容をまとめた大綱が発表されました。
今回と次回と二回に分けて皆さんに知ってほしい改正部分をご紹介したいと思います。
今回は配偶者控除の見直しについてです。
●配偶者控除って??
皆さんは103万円の壁という言葉をテレビや新聞、インターネットなどで耳にしたことがあるかと思います。
これは年収が103万円以下だと本人の税金が発生しないという側面と、配偶者の年収が103万円以下だと世帯主の所得から38万円控除されるという限度を表現したものです。この世帯主の所得から38万円控除する制度を配偶者控除といいます。
今回の税制大綱でこの配偶者控除の年収基準を150万円に引き上げすることが明記されました。引き上げの趣旨としては、配偶者の就労を増やして労働力確保といった側面と、世帯での収入を上げて消費につなげるといったところかなと思います。
●今回の配偶者控除見直しの問題点
私見ですが、この改正内容だとまだまだ配偶者の就労が増える方向には行きにくいかなと感じます。
理由は主に社会保険料の問題です。
税金面で103万円の壁が存在するのと同じように社会保険料にも130万円の壁が存在します(従業員が一定人数の大規模会社では平成28年10月から106万円の壁)。
これは年収で130万円を超えると社会保険の扶養から外れ、自分で社会保険料を支払わないといけなくなり、結果として手取収入が減る現象を表現したものです。したがって、今回の改正を経ても年収を130万円にまで抑えるというところで落ち着いてしまうことになります。
税と社会保険は国民が負担するもので切っても切り離せないものであるが故に、一体として制度改正を行ってほしいと思いますね。そして、夫婦ともにフルタイムで働く世帯については特に変更がないので、こういった世帯が増えるような仕組みも考えていかなければいけないと思います。
次回は、税制改正大綱の法人編の紹介していきたいと思います。
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こんにちは。公認会計士の池田詩織です。
当事務所では、クラウド会計freeeの導入サポートをしています。
●freeeのメリット
このクラウド会計freeeをかなりおすすめしております。
なぜなら、
・簿記の知識がなくても記帳業務が簡単にできる。支出・収入、決済未済・決済完了など、わかりやすい言葉が使われている。
・銀行口座やクレジットカードと連携させることによって自動で入出金データが会計データに取り込まれる。つまり、いちいち記帳をして残高を確認しなくても口座残高との同期ができ、会社全体の最新の預金残高・クレジット利用額が把握できる。
・AIによって、勘定科目を自動で推測してくれるので、定型的な取引なら、内容を確認してポチッとクリックするだけで仕訳が完了する。(これは本当に便利です!!ポチポチするだけでいいなんて…しかも金額が正確!!)
・・・などなど、クラウド会計ならではのメリットがたくさんあります。
しかし、私がこれはいい!と強くおすすめする理由はこれだけではありません。
私たちが中小企業の成長に絶対必要だと考えている「管理会計(マネジメント会計)」との相性がとても良いのです。
通常、会計ソフトというのは、仕訳データを入力し年度末の決算処理まで行うツールです。
この最後の「決算」が目標になります。会計ソフトを使うと、ルール(会計指針や会社法など)に則った決算書を作成することができます。
従来の会計ソフトは、あくまでもルールに則った使い方しかできませんでした。(補助科目を付けたりとかはできますが。)
●freeeはタグで可能性が広がる
freeeには「タグ」という機能が付いています。
タグには、「取引先」「品目」「部門」「メモタグ」の4種類あり、各仕訳の説明(摘要)に付けていくと、タグごとに集計ができるようになります。
従来の会計ソフトの補助科目の機能に似ていますが、補助科目と違って勘定科目をまたいで同じタグをつけることができます。
例えば、交際費や会議費や福利厚生費や旅費交通費にまたがって「飲食代」というタグを付けてみると、会社全体でいったいどれだけ飲食代がかかっているのかわかります。
さらに部門別(厳密に部門がなくても、部署ごと、あるいは責任者ごと)のタグをつけておけば、どの部門でどれくらい使っているかもすぐに集計できます。
このようにタグを使うことによって、今まで会計データから、勘定科目ごと、補助科目ごとにそれぞれ拾ってきた数字をエクセルで集計して社長に報告…といった手間がなくなります。
いつでも集計した数値を確認できるので、経営者が気になったときに最新のデータを確認することができます。
この便利な「タグ」の機能をうまく使いこなせば、時間も手間もかけずに、決算書の作成を目的とした数値だけでなく、
リアルタイムに経営管理(管理会計)に必要な財務数値を把握することが可能になるのです。
会計データを経営に活かすには、数字を使って会社を成長させるには、クラウド会計freee+管理会計(マネジメント会計)を最大限に活用していただきたいと思っています。
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