こんにちは。公認会計士・税理士の池田龍矢です。
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本題に入りますが、与党による来年度の税制改正内容をまとめた大綱が発表されました。
今回と次回と二回に分けて皆さんに知ってほしい改正部分をご紹介したいと思います。
今回は配偶者控除の見直しについてです。
●配偶者控除って??
皆さんは103万円の壁という言葉をテレビや新聞、インターネットなどで耳にしたことがあるかと思います。
これは年収が103万円以下だと本人の税金が発生しないという側面と、配偶者の年収が103万円以下だと世帯主の所得から38万円控除されるという限度を表現したものです。この世帯主の所得から38万円控除する制度を配偶者控除といいます。
今回の税制大綱でこの配偶者控除の年収基準を150万円に引き上げすることが明記されました。引き上げの趣旨としては、配偶者の就労を増やして労働力確保といった側面と、世帯での収入を上げて消費につなげるといったところかなと思います。
●今回の配偶者控除見直しの問題点
私見ですが、この改正内容だとまだまだ配偶者の就労が増える方向には行きにくいかなと感じます。
理由は主に社会保険料の問題です。
税金面で103万円の壁が存在するのと同じように社会保険料にも130万円の壁が存在します(従業員が一定人数の大規模会社では平成28年10月から106万円の壁)。
これは年収で130万円を超えると社会保険の扶養から外れ、自分で社会保険料を支払わないといけなくなり、結果として手取収入が減る現象を表現したものです。したがって、今回の改正を経ても年収を130万円にまで抑えるというところで落ち着いてしまうことになります。
税と社会保険は国民が負担するもので切っても切り離せないものであるが故に、一体として制度改正を行ってほしいと思いますね。そして、夫婦ともにフルタイムで働く世帯については特に変更がないので、こういった世帯が増えるような仕組みも考えていかなければいけないと思います。
次回は、税制改正大綱の法人編の紹介していきたいと思います。
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